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【2012年7月】KVM をよりパワフルに活用する術 ~SPICE 接続編~

ここに掲載するコンテンツはレッドハット社の許諾を得て、レッドハット・テクニカルニュースメールのバックナンバーを公開しています。

当コンテンツのレッドハット社メール配信:2012年7月

 

【1】KVM をよりパワフルに活用する術 ~SPICE 接続編~

前回は virt-manager のネットワーク設定についてご紹介しましたが、今回は連載第三弾として、仮想マシンの画面を取得する際の接続方式についてご紹介します。


新規仮想マシンを作成した際の画面取得方法は、デフォルトで VNC になっており、127.0.0.1 からのみ接続が許可されています。また、接続ポートは自動で割り当てられる設定となっています。


これらの設定は、新規仮想マシンの作成後に変更することが可能です。また、VNC ではなく、VDI(Virtual Desktop Infrastructure) 用の接続プロトコルである SPICE を選択することも可能です。

設定変更を行う場合は、以下の手順に従って作業を実施します。


  • virt-manager を起動し、設定変更したい既存の仮想マシンを開きます。
  • ※ 該当仮想マシンはシャットダウン状態である必要があります


  • 表示された画面上部の [詳細] をクリックし、設定画面を表示します。

  • デフォルトで [ディスプレイ VNC] が設定されていますので、この項目を選択し、[削除] をクリックして一旦削除します。

  • [ハードウェアを追加] をクリックし、[Graphics] を選択します。

  • 表示された画面にて以下設定の変更を行い、[完了] をクリックします。

  • SPICE connection.png
    • 種類
    • 画面取得に利用する接続プロトコルを選択します。[VNC サーバー] と [Spice server] のいずれかを選択します。

    • アドレス
    • 接続を許可するネットワークを設定します。

      [すべてのネットワークインターフェースをリッスン] にチェックを入れた場合は、アドレスに 0.0.0.0 が指定され、全ての IP アドレスから接続することができるようになります。

      このチェックを外した場合は、アドレスに 127.0.0.1 が指定され、ローカルからのみの接続が許可されます。

    • ポート、TLS port
    • この項目の [自動割り当て] にチェックを入れた場合は、自動でポート番号が割り当てられます。チェックを外した場合は、ポート番号とTLSポートを任意に指定することができます。

    • パスワード
    • 仮想マシンの画面を表示するためのパスワードを設定することができます。この項目を設定することにより、仮想マシンの電源を入れた際にコンソール画面にてパスワード入力バーが表示されます。

    • キーマップ
    • 仮想マシンのキーマップを明示的に指定することができます。指定しない場合、ホストマシンと同じキーマップが設定されます。


    この設定項目のうち、[種類]、[パスワード]、[キーマップ] は仮想ディスプレイの追加後でも virt-manager の画面上から編集可能ですが、[アドレス]、[ポート]、[TLS port] は変更することができません。

    仮想ディスプレイの追加後に [ポート] などを変更したい場合、virsh edit コマンドから変更する必要があります。

    # virsh edit [仮想マシン名]
    

  • SPICE を選択した場合は、仮想ビデオカードの設定も併せて変更します。
  • SPICE のディスプレイを追加すると、仮想ビデオカードのモデルで [qxl] が選択できるようになります。これは SPICE サーバーでのパフォーマンスを向上させるモデルとなるので、変更するようにしてください。

    なお、このモデルの仮想ビデオカードを利用する場合、仮想マシン側で専用のビデオドライバーを導入する必要があります。

    Red Hat Enterprise Linux 6 の場合、xorg-x11-drv-qxl パッケージを導入することにより、このビデオドライバーが有効になります。


なお、仮想ディスプレイ設定を SPICE に変更した場合、spice-client パッケージがインストールされているマシンから以下のコマンドを実行することで、virt-manager を介さずに仮想マシンの画面を表示することができます。

# spicec -h [KVM ホスト名] -p [ポート番号] -w [パスワード]

このように、デフォルトの VNC 接続だけでなく SPICE 接続も virt-manager から設定することが可能です。また、接続方法以外にもパスワードの指定なども行うことができます。


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